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リトアニア語のアルファベット

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リトアニア語のアルファベットは32文字で、母音字が12、子音字が20です。ラテン文字にą, ę, į, ųとč, š, ž, ė, ūを加えたもので、q, w, xは外国の固有名詞にだけ使います。このほか、二重字ch, dz, džがあります。

  1. Aa

    a [ɐ], [aː] ア

  2. Ąą

    a nosinė [aː] アー

  3. Bb

    bė [b] ブ

  4. Cc

    cė [t͡s] ツ

  5. Čč

    čė [t͡ʃ] チ

  6. Dd

    dė [d] ド

  7. Ee

    e [ɛ], [æː] エ

  8. Ęę

    e nosinė [æː] エー

  9. Ėė

    ė [eː] エー

  10. Ff

    ef [f] フ

  11. Gg

    gė [g] グ

  12. Hh

    ha [ɣ] ハ

  13. Ii

    i [ɪ] イ

  14. Įį

    i nosinė [iː] イー

  15. Yy

    i ilgoji [iː] イー

  16. Jj

    jot [j] ヤ行

  17. Kk

    ka [k] ク

  18. Ll

    el [ɫ], [lʲ] ル

  19. Mm

    em [m] ム

  20. Nn

    en [n] ヌ

  21. Oo

    o [oː] オー

  22. Pp

    pė [p] プ

  23. Rr

    er [r] ル

  24. Ss

    es [s] ス

  25. Šš

    eš [ʃ] シュ

  26. Tt

    tė [t] ト

  27. Uu

    u [ʊ] ウ

  28. Ųų

    u nosinė [uː] ウー

  29. Ūū

    u ilgoji [uː] ウー

  30. Vv

    vė [v] ヴ

  31. Zz

    zė [z] ズ

  32. Žž

    žė [ʒ] ジュ

二重字

  1. Ch ch

    cha [x] ハ

  2. Dz dz

    dzė [d͡z] ヅ

  3. Dž dž

    džė [d͡ʒ] ジ

a nosinė
文字の名前
[aː]
発音記号
アー
カタカナ

母音

母音の長短

リトアニア語でも、日本語の「おばさん」と「おばあさん」のように、母音の長短で語が区別されます。長母音は別の文字で書き、yとūはiとuの長音、ėとoは固有語では常に長母音です。長いiをyで書く習慣は、小リトアニアで始まりました。a, eには長音専用の文字がなく、強勢のある語末以外の開音節では多くの場合長く(namas, geras)、それ以外では短く発音します。短いiは、yより口もやや広く開きます。

eとė

eは口を大きく開けた広い音で、日本語の「ア」と「エ」の間のように聞こえます。ėは日本語の「エ」より口を狭く、緊張させて発音し、常に長い音です。この二つの違いで語が区別されます(vesti – vėsti)。

oとu

oは固有語では常に長く、「オー」のように発音します。短いoは外来語にだけ現れます。u, ūは唇を丸めて発音します。日本語の「ウ」のように唇を平らにしたままにはしません。

鼻音字 ą, ę, į, ų

ą, ę, į, ųは「鼻音字」と呼ばれます。16〜17世紀には、an, en, in, unから生じた鼻母音を表していました。ą, ęはポーランド語の綴りから借り、į, ųは新たに作られた文字です。鼻音は失われ、今では長母音です。ąは長いa、ęは長い広いe、įはy、ųはūと同じ音です。綴りは伝統によるもので、主に語尾に現れます(namą, namų)。接頭辞są-, į-と前置詞įにも使います(sąmonė, įrašyti)。

破裂音と鼻音

母音を伴わない子音

これらの子音は日本語にもありますが、リトアニア語では語末や子音の連続など、母音を伴わずに現れることがよくあります。カタカナで書くと子音の後に「ウ」や「オ」が入りますが、実際には発音しません。knygaはkny-gaの2音節で、「ク・ニ・ガ」の3拍にはなりません。

有声音と無声音

語末の有声子音は無声で発音し、daugは[dauk]のように聞こえます。子音が並ぶと前の子音が後ろに合わせ、有声子音の前では有声に(nešdavo [neždavo])、無声子音の前では無声に(grobti [gropti])なります。

sの音とšの音

記号「ˇ」

š, ž, čの上の記号「ˇ」は、チェコ語の綴りから取り入れたものです。19世紀半ばにポーランド語式のsz, czに代わってš, čが提案され、広く使われるようになったのは世紀末、完全に定着したのは20世紀初めでした。この記号の働きは常に同じです:s→š、z→ž、c→č、dz→dž。

šと「シ」

日本語の「シ・ジ・チ」は舌の中ほどを上あごに向けて持ち上げるので、柔らかく聞こえます。リトアニア語のš, ž, čは、舌の中ほどを持ち上げずに発音します。また、リトアニア語ではsiとšiは別の音で、siは軟音のs(siena)、šiはšです。日本語には「スィ」がないため、どちらも「シ」になりがちです。

cとdz

cは[ts]で、「ツ」の子音と同じ音です。日本語では外来語を除いて「ウ」の前にしか現れませんが、リトアニア語ではどの母音の前にも現れます(cukrus, citrina)。dzとdžは二文字で書きますが、一つの音です。

その他の子音

lとr

日本語のら行の子音は舌先で一度はじく音なので、日本語話者にはlとrの区別が難しくなります。リトアニア語のrは巻き舌で、舌先を何度か震わせます。lは舌先を上の歯茎につけたまま、舌の両脇から息を出します。a, o, uの前の硬いlは舌の奥も持ち上げるので、暗く響きます。この二つの音で多くの語が区別されます。

vとf

日本語では「ヴ」がふつう「バ」と同じに発音されるため、vがbになりがちです。リトアニア語のvは下唇を上の歯に軽く当てて出す音で、bとははっきり区別します。fも同じ口の形で出す無声音で、外来語に現れます。日本語の「フ」は両唇で出す音なので、口の形が違います。

hとch

hとchは対になる音で、どちらも舌の奥を上あごの奥に近づけて出します。hは有声、chは無声です。日本語の「ハ」はのどの奥で出す無声音なので、リトアニア語のhとは違います。どちらも主に外来語と間投詞に現れます。

j

jは「ヤ・ユ・ヨ」の子音と同じですが、リトアニア語ではe, iの前にも現れます(jis, jie, jėga)。日本語には「イ」の前のこの音(yi)がありません。語頭のieはjを書かない語もありますが、発音はjieと同じです(ieškoti)。

子音の軟音

リトアニア語の子音は、jを除いてすべて硬音と軟音の対を持ちます。e, ę, ė, i, į, yの前の子音は常に軟音です。a, o, uの前で軟音を示すにはiを書き、このiは独自の音を持ちません。kiaは一音節で、日本語の「キャ」と同じです。このiは、小さい「ゃ」と同じ役目をします。軟音の後のaはeに近く聞こえ、šaliaは[šale]のようになります。

kaカkiaキャkuクkiuキュ
laラliaリャluルliuリュ
naナniaニャnuヌniuニュ

軟音記号のiの前で、t, dはč, džに変わります: mẽdis → mẽdžio· kate͏̇̃ → kačių̃

二重母音

二重母音は、一つの音節に二つの母音が入ったものです。日本語の「あい」は2拍ですが、リトアニア語のaiは長母音と同じ長さの一つの音節で、強勢があれば下降調か上昇調で発音します。ieとuoは、iからeへ、uからoへ滑らかに移る一つの音です。dienaは「ディ・エ・ナ」の3音節ではなく、die-naの2音節です。

ai[ɐɪ]アイ laĩkas時間じかん· áiškus確たしか
au[ɐʊ]アウ áukštas高たかい· daũg沢山たくさん
ei[ɛɪ]エイ eĩti歩あるく· véidas面めん
ui[ʊɪ]ウイ muĩlas石鹸せっけん· puikùs立派りっぱ
ie[iə]イエ dienà日ひ· píenas牛乳ぎゅうにゅう
uo[uə]ウオ dúonaパン· púodas鍋なべ

a, e, i, uとl, m, n, rの組み合わせは混合二重母音です。二重母音と同じく、強勢があれば下降調か上昇調で発音します:

al am an ar · el em en er · il im in ir · ul um un ur

アルファベットの歴史

  1. 1547年 M. Mažvydasの『教理問答』の字母表には、大文字23字と小文字25字がありました。
  2. 16〜17世紀 鼻母音を表すため、ポーランド語からą, ęを借り、į, ųを新たに作りました。
  3. 1653年 D. Kleinの文法書で、初めてėが使われました。
  4. 1864〜1904年 ラテン文字が禁止され、キリル文字(グラジュダンカ)が押し付けられました。人々はこれを拒み、ラテン文字の本は小リトアニアなどで印刷されました。
  5. 19世紀末 ポーランド語式のsz, czに代わってチェコ語式のš, čが広まり、žもチェコ語から取り入れました。
  6. 1890年 V. Kudirkaの正書法『Statrašos ramsčiai』のアルファベットは、ūがないことを除けば現在と同じでした。
  7. 1901年 J. Jablonskisの文法書で、ūを含む現在と同じアルファベットが使われました。